2010年04月12日

高速料金、実質値上げへ=建設財源に1.4兆円−上限制度案を発表・国交省(時事通信)

 国土交通省は9日、6月中の導入を目指す高速道路の新たな料金制度案を発表した。車種別に、一定距離を超えると料金が上がらない上限料金を設定。「休日上限1000円」をはじめとした現行の割引は、2010年度に限り継続させる一部を除き原則廃止する。近距離を利用するドライバーには実質的な値上げとなり、鳩山政権が掲げる高速道路無料化に逆行するとの批判も出そうだ。
 今回の上限制は来年3月末までの社会実験との位置付けで、検証結果によっては見直しの可能性がある。前原誠司国交相は同日の閣議後記者会見で、「最終形を決めていく通過点と考えてもらいたい」と説明した。
 割引廃止で浮く財源は道路建設に転用。これまで各高速会社には計約3兆円が割引財源などとして投入されているが、現時点で残っている約2.6兆円のうち約1.4兆円を東京外郭環状道路(練馬−世田谷)など2区間の新規整備や、上信越道(信濃町−上越)、高松道(鳴門−高松市境)など4区間の4車線化に振り向ける。
 上限料金は、軽自動車1000円、普通車2000円、中・大型車5000円、トレーラーなど特大車は1万円。普通車でも燃費に優れたエコカーは軽の料金に割り引く。自動料金収受システム(ETC)の有無に限らず全車が対象。曜日や時間帯に関係なく首都高速と阪神高速以外の高速道路で適用する。ただ、本州四国連絡高速道路についてはフェリー業者に配慮し、軽、普通車の上限料金を他の高速より1000円高く設定した。
 同省は高速道路の一部無料化の社会実験と合わせて試行的に新料金制度を実施できるよう各高速会社などと調整に入る。10年度限りの激変緩和措置としてトラック業界から要望が強い大口利用者割引など、一部の割引は維持するほか、夜間・通勤時間帯割引は割引率を5割から3割に縮小し継続する。 

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2010年03月29日

郵政改革法案 指導力なき首相 内閣は分裂状態(産経新聞)

 亀井静香郵政改革・金融相と原口一博総務相が記者会見で発表したゆうちょ銀行の預入限度額を2千万円に引き上げるなどの郵政改革法案骨子をめぐり、鳩山内閣が揺れている。鳩山由紀夫首相は25日、限度額などの骨格部分を含め再調整する考えを示したのに対し、亀井氏は大幅修正には応じない構えだ。首相は政権発足半年にあたる16日には「自分の意思を強く示してまいりたい」と述べ、指導力発揮に意欲を表明していたが、現実は思うようにはならないようだ。(比護義則)

 「(亀井氏らは)まだ議論する前に決まったかのように発言している。調整前の発表はまずかった」

 首相は25日夕、記者団にこう述べ、亀井氏に不快感を示した。首相が担当閣僚の正式発表を否定するのは極めてまれだ。

 その一方で、首相は「強力な案であることは間違いない」とも述べ、亀井氏に一定の配慮も示した。このような首相の手綱さばきのつたなさが閣僚らのバラバラな発信を招いている。

 亀井氏はこの日夕、記者団に「(首相の了解は)現実なんだ。了解していないなんておっしゃるはずがない」と述べ、日本郵政グループへの政府出資比率や、ゆうちょ銀行の預入限度額の引き上げ幅などについて修正する考えのないことを強調した。

 これに対し、仙谷由人国家戦略担当相は「内閣全体の問題だ。もっとオープンな形で議論を尽くさないといけない」と述べ、亀井氏らの対応に不満を示した。古川元久内閣府副大臣も同日の記者会見で「相当慎重に議論しないといけない」と語った。

 平野博文官房長官は同日の記者会見で「民業圧迫のない公正な競争を前提に亀井担当相が検討していると思う」と、亀井氏に対し民間からの批判に配慮するよう暗に求めた。

 慎重派が問題視しているのは、預入限度額の引き上げが民業圧迫につながりかねない上、非正規社員の正社員化を進めることにより日本郵政の人件費拡大を招く可能性があることだ。法案骨子が発表された24日、仙谷氏は「ちゃんと議論せずに既成事実が積み上がっていいとは思わない」と再検討を求めた。

 このとき、首相も「閣内でも議論する必要がある」と仙谷氏に歩調を合わせていただけに、25日の亀井氏の発言は「首相のメンツを完全につぶした」(政府筋)といえる。

 閣内対立が深刻化し、4月中を目指す法案の閣議決定が遅れれば、鳩山政権は痛手をこうむる。

 首相は25日昼、菅直人副総理・財務相、平野、仙谷両氏の3閣僚と昼食をともにし、この問題について協議した。平野長官は25日午後の記者会見で、首相から関係閣僚の意見調整を進めるよう指示があったことを明らかにした。首相からは「(閣内の調整が)必要だな、との話があった」という。

 首相の指導力に疑問符をつけざるをえないのは郵政改革だけでない。

 首相は24日の政府・民主党首脳会議で、政府系公益法人と独立行政法人を対象とした事業仕分け第2弾について、「1年生議員を総動員して、公益法人、独立行政法人の見直しに力を貸してほしい」と党側に協力を要請した。

 ところが、山岡賢次国対委員長が25日の党代議士会で、事業仕分けに携わるメンバーについて「議員は入らない」と断言すると、首相は同日夕、「別に、(新人議員に)事業仕分け人になれと言っているわけではない」と、あっさり山岡氏の言葉を追認してしまった。

                   ◇

 ■法案めぐる発言

 郵政改革法案をめぐる閣僚や野党党首らの25日の発言は次の通り。

 鳩山由紀夫首相「(亀井静香郵政改革・金融相の発表案が)強力な案であることは間違いないが、これから閣議で調整して決める必要がある。私が(亀井氏の案を)了解したと伝えられているが、実際には了解ではない。調整前に発表したのはまずかった」

 亀井静香郵政改革・金融相「閣僚だけでなく与野党を問わず意見は聞くが、(法案の概要は)もう決めていることだ。首相に了承されたから決めた。首相の意に反した発表なんかしない。(修正しないことは)当たり前だ」

 平野博文官房長官「原口一博総務相と亀井氏が協議し、了承したことは重い判断だ。亀井氏が勝手に先行しているわけではない」

 仙谷由人国家戦略担当相「内閣全体の問題であり、ゆうちょ銀行やかんぽ生命保険についてオープンに議論する必要がある」

 谷垣禎一自民党総裁「郵政の再国有化になっている。郵政票を見越した与党の行き過ぎた選挙至上主義の表れだ。金融システムに与える影響や国民負担の問題が全く欠落した暴論で、首相のリーダーシップの欠落を白日の下にさらした」

 山口那津男公明党代表「この段階で異論が出るのは、内閣が機能不全に陥っていると言わざるを得ない」

 志位和夫共産党委員長「郵政事業に対する理念上の一致がないから閣内が混乱している」

 竹中平蔵元総務相「親方・日の丸でやっていくということであり、間違いなく民業圧迫になる。どれだけ国民に大きな負担をもたらすか明らかにすべきだ」

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